桜井ひろゆき 目標は墨田区の活性化!不退転の決意で突っ走ります!自由民主党 東京都議会議員 桜井浩之

平成24年 第一回定例会 桜井ひろゆき 一般質問内容一覧

  •  大都市のあり方について。
  • 最初に、石原知事へ、大都市のあり方について質問をいたします。
     本年五月二十二日、いよいよ東京スカイツリーが開業いたします。
     大ヒットとなった映画「ALWAYS三丁目の夕日」で建設途上の東京タワーが登場しますが、高度成長期の象徴である一九五八年完成の東京タワーが、その後の五十年余りの東京の発展と成熟によって役割を終え、スカイツリーと交代することは、極めてシンボリックな出来事だと思います。
     しかし、新しいシンボルを持つことになった東京と日本の現実を見ると、東京タワーが完成した当時の活気、将来への期待感を感じることはできません。経済の低迷や国際競争の激化、さらには少子化や社会保障制度への不安など、枚挙にいとまがないからです。
     山積する課題を乗り越えるべく、十三年前、石原知事は、東京から日本を変えるというスローガンを掲げられ、当選されました。以来、東京は日本のダイナモだ、心臓部だと訴え、国を動かし、羽田の再拡張を実現、外環道の整備を再開させるなど、らつ腕を振るわれてきました。
     しかし、国政では、都市再生についての取り組みが行われていますが、過去長きにわたって続いてきた均衡ある国土発展路線が完全に切りかえられたとは思いません。ことしの国家予算でも、危機的な財政状況にありながら、地方整備新幹線の新たな着工が認められました。
     また、介護保険では、大都市の土地の高さや賃金水準の高さを反映しない不合理な仕組みが、東京都の再三にわたる要求にもかかわらず、一向に是正されません。法人事業税の暫定措置も続いております。
     停滞する日本が再生するためには、東京や大阪、名古屋といった大都市が経済成長の牽引役となって、新たな富を生み出していかなければなりません。そこで働き暮らす人々をしっかりとした福祉、医療、教育などで支えて、その力を限りなく引き出し活力を生んでいく必要があります。大都市の戦略的な強化こそが、日本の再生の道だと思います。
     そうした観点から、国は発想を大転換し、例えば、中央リニア新幹線の建設をJR東海という一企業に任せ、名古屋開業が二〇二七年、大阪開業が二〇四五年になるのではなく、国家の総力を挙げて、東海道新幹線東京─大阪間を五年半で完成させたのと同じくらいの情熱を持って取り組んでいくべきです。
     東京タワーが廃墟から立ち直った東京と日本の象徴であるように、東京スカイツリーも二十一世紀の豊かで成熟した東京と日本の象徴にしていくのは、我々の役目です。
     そのために必要な大都市の戦略的な強化について、「二〇二〇年の東京」という将来ビジョンを掲げて、二十一世紀のあるべき大都市の姿をつくり上げようとされている石原知事にご所見を伺います。

  •  石原慎太郎知事
  • 桜井浩之議員の一般質問にお答えいたします。
     大都市の戦略的強化についてでありますが、現代は、大都市のあり方が国家の命運を左右する、まさに都市の時代となりました。しかし、歴代政権は国家官僚に実質的に支配され続けていまして、地方分権のかけ声ばかりで、太政官制度以来の中央集権体制を温存し、政治家は、国家でなくて自分の選挙区だけを背負った感じで、縦割り行政を是とする国家官僚に引きずられたままで来ました。それゆえ、国は日本の有する力を、それぞれの地方の力を束ねて国力を涵養し、それを伸ばすという認識も戦略も欠いたまま、形としては、例えば本州と四国を結ぶ三つも大きな橋をつくって、ばかなことをやってきましたが、逆に大都市への投資はおろそかにしてきました。
     さらに、あろうことか、国は東京を初めとする大都市から法人事業税の一部を一方的に奪い続けているわけでありまして、私も知事就任以来、文明工学的視点を欠いたこの国を何とか動かし、東京から日本を変える試みを進めてきたつもりであります。長きにわたって放置されてきた環状道路の整備を進め、羽田空港の再拡張、国際化も実現いたしました。
     今後は、アジアの成長を日本に取り込むべく、外国企業のアジアの拠点を誘致して、企業活動の不安を払拭すべく、東京産の電力も倍増させていきたいと思っております。
     さらに、東京の防災上の弱点であります、これはもう致命的な弱点であります木造住宅密集地域の解消も強力に進めるなど、新たに構えた「二〇二〇年の東京」計画を確実に実行し、日本のダイナモであります東京の機能に磨きをかけていきたいと思っております。
     同時に、日本の再生のためには、東京だけではなくて、首都圏を構成している州都九の都県市や、リニア新幹線でやがて結ばれることになる大阪、愛知など、太平洋沿岸の大都市の活力も取り戻さなくてはならないと思います。他の都市とも手を組みながら、国を揺さぶって中央集権体制を打破して、日本の富を生み出す大都市が十分に活動できる環境を整えることで、国全体の発展につなげていきたいものだと思っております。

  •  まちづくりと防災について
  • 次に、まちづくりについて、防災という切り口から質問いたします。
     都は、先般、木密地域不燃化十年プロジェクトを発表し、不燃化特区と特定整備路線という新しい制度を構築いたしました。
     私の地元墨田区は、都が公表している地域危険度調査において、最も危険性が高い地区の一つであり、とりわけ鐘ヶ淵地区は早急に改善が必要であります。
     この地区に位置する補助一二〇号線は、防災性向上の骨格となる道路であり、水戸街道からの・期区間は、現在、都が沿道一体整備事業を行っていますが、・期区間から先の墨堤通りまでの区間はいまだ事業化に至っておりません。この道路が二十メートルの幅員で整備されれば、災害時に延焼遮断帯としてだけでなく、避難道路としても活用でき、地域にとって極めて重要な道路であり、早急に整備する必要があります。
     都は、補助一二〇号線の残りの区間の整備を今後どのように進めていくのか伺います。

     また、木密地域不燃化十年プロジェクトでは、都は、整備プログラムを実施する区に対し、期間限定、地域限定で特別の支援をしていくとしています。木密地域では、移転先の確保が困難であることなどにより、高齢者が事業に協力しようと思ってもなかなか進まない現実があり、この問題の解決が重要です。
     そこで、木密地域不燃化十年プロジェクトも踏まえ、高齢者向けの生活再建策の充実強化に努めるべきと考えますが、見解をお伺いします。

     都市の安全性を高めるためには、高度経済成長期に建設され、老朽化が進み、高齢化も進行している大量の団地の耐震化や建てかえを促進し、さらに、多様な世代が居住することによってコミュニティを活性化し、防災に対する自助、共助の力を高めていくことが重要です。
     都は、一月に公表した東京都住宅マスタープラン素案で、公共住宅の適切な維持更新や高齢者の居住の安心の確保などを目標として掲げています。
     とりわけ、多摩ニュータウンについては、昭和四十年代に入居が始まった初期入居地区において、こうした問題が先鋭的にあらわれてきている一方で、今年度で特別会計が終了いたします。
     今後、多摩ニュータウンの再生にどのように取り組んでいくのか伺います。

     また、現在、墨田区では、都営住宅の文花一丁目アパートの建てかえが進んでおります。今後、築年数の長い大規模な都営住宅団地の建てかえを推進し、耐震化や創出される用地を避難場所として確保するなどにより、地域の防災性を高めていくべきと考えますが、見解を伺います。


  •  飯尾豊都市整備局長
  • 五点のご質問にお答えいたします。
     まず、補助第一二〇号線の整備についてでございますが、鐘ヶ淵地区を貫くこの路線は、第三次事業化計画の優先整備路線に位置づけられており、お話の一期区間から墨堤通りまでが未着手となっております。この区間の事業の具体化に当たりましては、木密地域である鐘ヶ淵駅周辺のまちづくりなどの検討が必要であることから、地元墨田区では、先ごろまちづくりの素案を住民に説明し、また鉄道との立体化の検討も進めていると聞いております。都としても、区のこうした取り組みと連携して沿道の地権者に直接働きかけるなど、街路整備を契機としたまちづくりの機運醸成に取り組んでいるところでございます。
     都は、木密地域の不燃化を一段と加速させていく観点から、この路線の早期事業化に取り組んでまいります。
     次に、木密地域における高齢者の生活再建策についてでございますが、木密地域の建てかえを進めていくためには、高齢化が進む従前居住者の移転先を確保し、生活再建に十分配慮していくことが重要と認識しております。都はこれまでも、沿道一体整備事業等において、都営住宅のあっせんや民間賃貸住宅の情報提供などに取り組み、また、地元区においても、コミュニティ住宅の整備等移転先の確保に努めてまいりました。
     木密地域不燃化十年プロジェクトの推進に当たりましては、地元区の提案も踏まえながら、公共住宅や都有地の活用など、高齢者の居住安定のための支援策について検討を進め、より実効性のある不燃化特区制度の構築に取り組んでまいります。
     次に、多摩ニュータウンの再生についてでございますが、多摩ニュータウンにおいては、計画的に整備された緑や公園、道路などが貴重な財産となる一方、昭和四十年代に入居が始まった初期入居地区では、施設の老朽化や住民の高齢化などが進んでおります。そこで、都は、学識経験者や地元市などの意見を聞き、良好な既存ストックを生かしながら、初期入居地区が抱えるこうした課題などを解決し、再生していくための手引きとなる、多摩ニュータウン等大規模住宅団地再生ガイドラインを取りまとめました。
     今後、都は、地元市や住民、都市再生機構など関係する主体と連携し、ガイドラインを活用しながら、具体的な再生方針の策定を促進することなどにより、再生に取り組んでまいります。
     次に、大規模な都営住宅団地の建てかえによる地域の防災性の向上についてでございますが、都営住宅の建てかえを契機として、耐震化など建物の安全性の向上とともに、敷地の有効活用を図り、周辺地域も含めて防災性を高めていくことが重要と考えております。これまでも建てかえによる創出用地を活用し、道路や公園など避難に役立つオープンスペースの確保や、防災倉庫、防火水槽、さらには総合治水対策の一環として調節池や一時貯留施設等の整備に取り組んでまいりました。
     現在、首都東京にふさわしい高度な防災機能を備えた居住の実現を目指して、住宅マスタープランの策定作業を進めており、今後、このマスタープランも踏まえ、都市計画道路の整備や木密地域の改善に創出用地を活用するなど、防災都市づくりの推進に寄与してまいります。

  •   区部東部の避難対策について。
  • 東京の区部東部には海抜ゼロメートル地帯が広がっており、万が一の水害に備えた対策を検討しておくことが必要です。
     例えば、各区が指定している避難所の中には、一階に備蓄物資を保管しているところも見受けられ、万が一、浸水が生じた際には、その物資を損失するおそれがあります。そもそも、現在指定している避難所は地震を想定したもので、津波などによる浸水時に安全に避難できる場所として確保されているものではありません。近くに安全な公共施設がない地域では、民間のビルなどに逃げ込めるような避難場所確保が必要です。
     こうした検討には時間がかかりますが、一方で、待ったなしの災害に備えて、今できることを直ちに進めていく必要があります。
     都は、東日本大震災を踏まえ、区部東部における避難対策を推進していくべきと考えますが、所見を伺います。

  •  笠井謙一総務局長
  • 東京湾沿岸部の津波対策についてでございますが、海抜ゼロメートル地帯に暮らす都民の方々を水害から守るため、水門、防潮堤の整備などハード対策に加え、避難などのソフト対策を講じておく必要がございます。住民の方々の避難につきましては、主たる役割を担う各区においてさまざまな対策が講じられておりますが、都といたしましても、広域行政の立場から、東京都防災会議のもとに避難対策に関する検討部会を設置し、水害時の避難先の確保や広域的な避難方法も含めた避難対策について検討してまいります。
     この結果を都の地域防災計画に反映させるとともに、関係区とも連携し、先進的な取り組み事例の普及や避難場所のさらなる安全確保を図るなど、区部東部を初めとする東京湾沿岸部の津波対策に万全を期してまいります。

  •  被災地支援について。
  • 東日本大震災で被害を受けた東北の産業復興は、一年を経過しようとする現在でも容易ではないと聞いております。特に、東北三県の製造業はダメージからの回復がおくれ、せっかくの技術力を発揮できない例も多いとのことです。
     こうした状況を乗り越えるため、都内の中小企業と東北の中小企業とが協力し、お互いの技術を提供し合って、新たな製品開発に取り組むための支援が必要と考えますが、所見を伺います。
     被災地の中小企業は製造業を含めて、新規の取引の確保に向け、市場規模の大きな東京への進出を希望する場合も多いと聞きます。
     そうした会社が、東京に営業拠点をつくり、都内の中小企業と展示会などを通じ商談をまとめることは効果的な方法であると考えますが、都としての支援策について伺います。

  •  前田信弘産業労働局長
  • 被災地支援に係る二点のご質問にお答えいたします。
     まず、東京と被災地の中小企業の協力についてでありますが、被災地の産業の復興に向け、東京と東北三県の中小企業が協力し、新たな技術や製品の開発に取り組むことは重要でございます。このため、都は来年度、都内と東北三県の中小企業の連携の仕組みをつくり、高付加価値の技術や製品を開発し、新たなビジネスの展開に結びつける取り組みを実施いたします。
     具体的には、東京都と東北三県の中小企業振興公社がすぐれた技術を持つ企業をグループ化し、大企業の注文に対応できる共同開発の体制をつくり、試作品の生産の受注等につなげてまいります。企業訪問やセミナー等を効果的に行い、中小企業のグループや大企業との協力関係を着実に生み出すことによりまして、それぞれの地域の企業の力を活用した被災県の産業復興を後押ししてまいります。
     次に、被災地企業の販路開拓支援についてでありますが、被災地の企業が東京の巨大な市場で販路を開拓しようとする場合、営業拠点などの確保が重要であります。都は、地方の企業が東京に営業拠点を設ける取り組みを支援するブリッジヘッド事業を活用いたしまして、被災地の企業に無料で事務用の場所を貸し出しております。現在は十二の区画に対して十一の被災地企業が入居しており、来年度は区画を拡充して、最大で十八の企業の受け入れを予定しております。また、東京の事業協同組合などが被災地の中小企業の販路開拓につながる展示会を開く場合、新たにその開発経費の一部を助成いたします。
     こうした取り組みにより、被災地の企業の販路拡大を図り、産業復興を着実にサポートしてまいります。

  •  東武伊勢崎線業平橋駅付近の踏切対策について。
  • まず、東武伊勢崎線業平橋駅付近の踏切対策です。
     本年五月に開業する東京スカイツリーの東側には、東武伊勢崎線押上二号踏切が残っており、交差する区道の桜橋通りでは踏切による慢性的な交通渋滞が発生し、これにつながる都道にも大きな影響を及ぼしています。このままでは、スカイツリー開業後、交通量がさらに増加することにより、周辺環境の悪化、観光客の回遊性の障害にもなります。
     この問題については、一昨年の予算特別委員会で取り上げましたが、墨田区は、昨年秋、区施行による鉄道の連続立体交差化の実施を決定いたしました。連続立体交差化が進捗すれば、地域のポテンシャルが大きく向上し、税収アップを含め、地元墨田区にとどまらず、広く東京全体にも効果が及ぶものと考えます。
     多額の事業費を要する連続立体交差を早期に実現するため、都は、墨田区を積極的に支援する必要があると考えますが、都の今後の取り組みについて伺います。

  •  尾崎勝水道局長
  • 東武業平橋駅周辺の踏切解消についてでございますが、東武伊勢崎線第二号踏切は、平成十六年度に都が策定した踏切対策基本方針において重点踏切の一つに選定され、鉄道立体化以外の対策を検討する区間に位置づけられておりました。その後、本地区においては、東京スカイツリーに合わせて、地元墨田区が土地区画整理事業などのまちづくりに取り組み、昨年秋にはみずからが施行者となり、鉄道の連続立体交差化や関連する道路整備を行うことといたしました。
     都としては、こうした地元区の主体的な取り組みを踏まえ、技術的支援や鉄道事業者等関係機関との調整を行うなど、鉄道立体化の実現に向け、積極的に協力してまいります。

  •  京成押上線連続立体交差事業について。
  • 次に、京成押上線連続立体交差事業について伺います。
     京成線の押上から八広駅間では、連続立体交差事業の工事の進捗が目に見えるようになってきました。また、京成曳舟駅周辺では、まちづくりが大きく進展するなど、本事業は、墨田区の活性化にとって欠かせません。地元住民の方々は一日も早く、踏切がなくなるとともに、鉄道による地域分断が解消されることを強く望んでいます。
     そこで、京成押上線の押上駅から八広駅間の連続立体交差事業の今後の取り組みについて伺います。

  •  村尾公一東京都技監
  • 京成押上線連続立体交差事業についてでございますが、本事業は、押上駅から八広駅までの区間を高架化し、明治通りを含む八カ所の踏切を除却することで、交通渋滞や地域分断の解消を図るものでございます。現在、上り線の工事を進めており、平成二十五年度に高架化いたします。これにより、明治通りの交通渋滞の大幅な緩和が図られます。その後、踏切除却に向けた下り線の工事や側道整備などを行ってまいります。
     地元では、本事業を契機に再開発事業が進捗し、約千戸の高層住宅や大規模商業施設が完成するなど、まちが変貌しており、地域の活性化にも大きく寄与しております。
     引き続き鉄道事業者や地元墨田区と連携し、地域住民の方々の理解と協力を得ながら、本事業を推進してまいります。

  •  土地信託事業について
  • 旧両国国技館跡地に建設された両国シティコアは、平成四年に竣工して以来二十年、まちのシンボルとして存在してきましたが、本年七月に契約満了を迎えます。
     先に契約を延長した新宿モノリスは五百億円の配当を上げましたが、両国シティコアは三十億円の借入金債務が残ることが明らかになりました。
     そこでまず、両国シティコアが厳しい経営状況となった要因と、都が行ってきたこれまでの取り組みについて伺います。
     このまま契約が終了すると、債務は全額都に承継されると聞いております。その清算のために、江戸時代から勧進相撲が行われてきた回向院に旧国技館が建てられたという歴史のある、また地元住民も愛着を持つ貴重な都有地を手放すようなことになってほしくありません。
     今定例会には、住宅部分を都に戻し、オフィス部分の信託を五年延長するための議案が提出されるとともに、費用負担として十三億円が予算計上されております。
     そこで、今回取りまとめた対応について、どのような基本的方針のもとで検討を進めてきたのか、伺います。また、契約満了に当たり、今回取りまとめた具体的な対応策を確認し、借入金債務の早期解消に向けた都としての決意を伺い、質問を終わります。

  •  安藤立美財務局長
  • 土地信託、両国シティコアについて、三点お答えいたします。
     まず、両国シティコアが厳しい状況となった要因などについてでありますが、この土地信託はバブル景気の最中である昭和六十三年に計画されたものでありまして、建築資材の物価騰貴などの影響により、建物の建設費が約三十五億円増加したことに加えまして、地価の下落により賃料が低調のまま推移したことなどが、厳しい経営状況となった要因であるというふうに認識をしております。これに対しまして、都としては、借入金金利の引き下げや徹底した維持管理コストの縮減など、受託銀行に努力を求め、実施をしてきたところであります。
     次に、今回取りまとめた対応についての基本的方針であります。このまま土地信託契約が終了いたしますと、土地、建物がテナントつきでそのまま都へ返還され、借入金の債務も都に承継されることとなります。現時点での資産価値は約九十二億円でありますので、ここで売却をすれば借入金債務を解消できるわけですが、信託財産は都民の負託を受けた貴重な都有財産でありますので、売却処分はせず、現在の資産価値を最大限発揮し、収益を確保することにより、税金を投入することなく債務の早期解消を目指すとともに、住宅居住者の居住の安定と継続を図っていくことを基本的な方針といたしました。
     そして最後に、具体的な対応策と借入金債務の解消についてでありますが、オフィスにつきましては、経営努力により今後も安定した賃料収入の確保が見込めることから、五年間信託契約を延長することといたしました。また、住宅は入居者の居住の安定と継続を図るため、都へ返還後、引き続き公共住宅として管理をしてまいります。これらの対応により、信託事業を継続する中で十七億円を返済する一方、都は住宅部分の特別会計への有償所管がえによる財源を活用し、十三億円を清算することで、三十億円の債務を税金を一切投入しないで解消することが可能となります。
     こうした方策を講じることは、この土地を手放さず、将来新たなまちづくりの視点に立ち、都の主体的な判断により利活用を進めることを可能とするものでもございます。
     両国シティコアを取り巻く環境は引き続き厳しい状況が予想されておりますけれども、今後、受託銀行に対しまして、あらゆる創意工夫によるテナントの誘致やさらなるコスト縮減を求めるなど、確実に借入金債務が解消できるよう全力で取り組んでまいります。